建て替えられないけど負けない!再建築不可物件の攻略法

カラフルデザイン広報企画部です。

再建築不可物件は、他の不動産物件と比較して多くの制約があるため、購入・活用・売却の各フェーズで慎重な対応が求められます。しかし、適切な知識と工夫を持って対応することで、再建築不可物件でも資産価値を引き出すことが可能です。本記事では、その全体像を徹底解説します。


再建築不可物件とは?

再建築不可物件とは、建物を取り壊して更地にした場合でも、新しい建物を建てることができない土地を指します。主に建築基準法が定める接道義務を満たしていない土地が該当します。

接道義務の条件
・建築基準法上の道路に2m以上接していない。
・接する道路が幅員4m未満。
・私道や古い道にしか接していない。


再建築不可物件が存在する背景には、都市計画法や建築基準法が制定される以前の土地利用が影響しています。


再建築不可物件のメリットとデメリット

1.価格が安い
同じエリア内の類似物件と比較すると、価格は1割から最大5割程度安くなるケースも少なくありません。

2.固定資産税が安い
一般的な物件に比べて固定資産評価額が低く設定される傾向があります。そのため、固定資産税や都市計画税などの維持コストを低く抑えることが可能です。また、相続や贈与の際の課税額も低く抑えられるため、節税対策としても活用できます。

3.敷地拡張に有利
隣地を所有している場合、再建築不可物件を購入することで、安価に敷地を拡張することができます。土地の購入価格が比較的低いため、資産価値の向上や土地利用の幅を広げる目的で活用することが可能です。


再建築不可物件の工事制限

増築
建物の床面積を増やす工事は不可。

大規模修繕・模様替
主要構造部(柱、壁、床、梁、屋根、階段)の半数以上を取り換える工事は不可。

修繕可能な範囲
 ・柱・梁の交換:全体の半数以下なら交換可能。
 ・1階の床全面張り替え:主要構造部に含まれないため全面交換可能。
 ・屋根・外壁の改修:仕上げ材(瓦やモルタル)は交換可能だが、下地材の再利用が必要。

注意点
「建築確認申請不要」な工事でも建築基準法に違反する場合があるため、必ず専門家に相談しましょう。


再建築不可物件を活用する方法

1. 現状の建物をリフォーム
 建物を解体せず、内部をスケルトンリフォームすることで住みやすくできます。また、柱や梁などの主要構造は、全体の半数以下であれば取り換えが可能です。たとえば、柱が30本ある場合、15本以下の修繕が認められます。

2. 更地にして収益物件として活用
 駐車場や駐輪場として利用することで収益化を図ることができます。

3. 再建築可能にする工夫
 ・敷地の拡張:隣接する土地を購入し、接道幅を2m以上に広げることで建築基準法を満たします。
 ・セットバック:敷地を道路側に後退させ、道幅を確保することで再建築可能になります。
 ・43条但し書き道路の申請:自治体に申請を行い、許可が下りれば再建築が可能になる場合があります。ただ し、申請には自治体が定める厳しい基準を満たす必要があります。


再建築不可物件を売却する方法

1. 再建築不可であることを伝える

再建築不可物件であることを隠さず、重要事項説明書に明記することが重要です。これにより、買主とのトラブルを未然に防ぎます。

2. 将来の可能性を提示する

隣地の購入やセットバックで再建築が可能になる旨を提示することで、買主にとっての魅力が高まります。具体的なシミュレーションを行い、説得力のある提案をしましょう。

3. インスペクションの実施

既存住宅状況調査(インスペクション)を実施し、建物の問題点を明確化します。その上で、致命的な不具合を補修すれば、購入希望者が増える可能性が高まります。また、インスペクション後の補修を行うことで「既存住宅売買瑕疵担保保険」の適用が可能になり、買主に安心感を与えます。

4. 買取専門の不動産会社に売却

市場で売却が難しい場合、買取専門の不動産会社に相談するのも一つの方法です。買取専門会社は物件を再生して再販売するノウハウを持っているため、スムーズに売却が進む可能性があります。


再建築不可物件は価格の安さや税金の軽減といったメリットがある一方で、新築不可や工事制限、売却の難しさといったデメリットがあります。しかし、適切な工夫を施すことで、再建築不可物件を有効活用したり、スムーズに売却したりすることが可能です。
購入・活用・売却の各フェーズで専門家のサポートを受けながら、慎重に計画を進めることが、再建築不可物件を成功に導くカギとなるでしょう。

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